私たちは普段何気ない会話のなかで、「仕事がストレス」「人間関係にストレス」と言ってしまいますよね。
ですが「ストレス」とは外部の様々な刺激、不快な刺激によって生じる心身の反応のことで、例えばイライラしたり、血圧が上がったりなどの反応のことを言います。
そして、普段私たちが何気なく使っているストレスとは、外部の様々な刺激、不快な刺激を「ストレッサー(ストレス因)」と言います。
ちなみにストレッサーは「不快」という主観性を含む概念になっているため、何がストレッサーになるのかは人によって異なります。
ややこしいですが「ストレス」と「ストレッサー」の違いを理解することは、心身を健康に保つ方法を考えるにあたって大切なことです。
「ストレスとうまく付き合う」「ストレスは溜めないで発散」「ストレス対処法」などは、多くの方がストレス解消に関心を持っていることですが、なかなか対処法が見つからないのは何故でしょうか?
「ストレス対処法」といっても、個人によって「ストレス」と「ストレッサー」が違うため、自分が何を不快な刺激と感じるのか?それに対しての身体の反応に対して対処する!という2つの視点から、それぞれについての対策を考えていかないと、いつまでたっても対処法は見つからないでしょう。
ストレスが生じると私たちの身体の反応は?
不快な刺激を受けることで、ストレス(身体の反応)が生じるのは何故でしょうか?実は、身体を守るために出ている症状であり、私たちにとって必要な反応なのです。
コルチゾールなどのストレスホルモンが分泌される
コルチゾールは血糖を上げたり、血圧を上げたり、炎症反応を抑えてくれるなどの役割があり、血糖が上がれば脳へ糖分(栄養分)が届きやすく、血圧が上がれば全身へ血液を送りやすくなります。
また、炎症を抑えてくれることで身体の痛みやつらさを感じにくくなります。
自律神経の交感神経が優位になる
自律神経には、緊張させる「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」の2つの神経があります。
緊張させる「交感神経」が優位になると、瞳孔は開き、脈拍が上がり、呼吸も早くなります。
いい意味での「プレッシャー」などは、この緊張させる「交感神経」というストレス反応が一時的に身体を頑張らせてくれて、重要な場面を乗り切ることができます。
ストレスは何が問題なのか
ストレスは、不快な刺激に打ち勝つために身体が起こす反応ですが、身体を守るために出るこれらの症状も、過度にストレスが生じてしまうと、今度はストレスが心身を痛めつけてしまうことになるのです。
常にコルチゾールが高値になっていれば、常に血圧が高く、血糖値も高くなり高血圧や糖尿病を発症するリスクとなり、脳梗塞や心筋梗塞につながります。
また過度なコルチゾールは脳の神経細胞を傷付け、うつ病などを発症させるリスクもあるといわれています
常に交感神経が優位になって瞳孔が開き、脈拍が早く、呼吸も速い状態が続けば、いつまでもリラックスできずに疲労がたまります!
このようにストレスは適度に生じれば、私たちに有利に働いてくれるものなのですが、過度に生じてしまうと私たちの身体も心も害してしまうものなのです。
ちなみに、過度なストレスによって身体の病気が生じてしまうことを「心身症」、過度なストレスによってこころが疲弊すれば「適応障害」「うつ病」などの心の病気にもなってしまうのです。
ストレッサー(ストレス因)は、人間関係であったり職業上のものであったりと、心理的・社会的な要因が要因と思いがちですが、季節、天候や環境の変化、騒音や悪臭、病気など、自分では避けようのない要因も、ストレスとなります。
つまり生きている以上、ストレスがゼロという状況はないのです。
だからこそ、ストレスに対処する術を心得る必要があり、多くの方の関心をもつのではないでしょうか?
ストレス対処法の5つのヒント
ストレッサー(ストレス因)は心理的・社会的な要因や、自分では避けようのない要因もあるため、個人差があります。
だからこそ、あなたに合った対処する術を見つける必要があります。
こちらでは、そのような対処のヒントをご紹介します。
ストレッサー(ストレス因)をかわす
「仕事の抱え過ぎ」「飲み会の誘いを断れない」「かかわる必要のない人間関係に巻き込まれる」などと、心が疲れることはありませんか?
そのようなストレッサー(ストレス因)に自らかかわってしまう方は「かわす」「断る」ことも大切です。
もちろん、そこは大人のたしなみで相手が不快にならないような「かわす」「断る」術を身につけましょう!
日々のストレスをためない
日々のなかで「嫌な気持ちになった」「イラつく」「理不尽だ~!」などと思うこともあるでしょう。
例えば、「早く寝る」「ゆっくりお風呂に入る」「アロマの香りで安らぐ」と何でもいいのです!
あなたに合ったリフレッシュの方法、ストレス対処法を見つけておくと、日々の小さなストレスをためずにいられますよ。
思考パターンの変換
「どうせ失敗する」「損している」「どうせ私なんて」などと、マイナスの思考パターンはストレスを感じやすくなってしまいます。
「どうせ失敗する」失敗したら原因をさぐり、次成功したらいいじゃないですか?
「損している」損得?確かにあるのは現実ですが人生巡り巡ってです!
人生を損得で考えずに、日常から「幸せ」を見い出し、どれだけ感じられるかですよ♥
「どうせ私なんて・・・」と思いたくなる時もありますが、自分のことを一番に理解してあげられるのは自分です!
もし今のあなたに満足していないのなら、「私はこうなりたい!」と頑張る気持ちに変換してみてはいかがでしょうか?
規則正しい生活リズム
生活のリズムが乱れると、ストレスに弱くなる傾向があるといわれます。
常に睡眠不足になっている人は要注意ですよ!
しっかり睡眠をとりましょうね。
疲れを感じたら、早めに休む
疲れは、それ自体で大きなストレスです。
心身を休ませる機会を意識的につくっていきましょう!