おひとりさまの孤独死と待ち受ける問題について

ここ数年、孤独死の問題がクローズアップされていますよね。

2035年には、日本人の2人に1人が「おひとりさま」になるであろうという予測もあり、家族のいない「おひとりさま」にとっては、孤独死の問題は他人事ではすまされません!

毎年3万人以上の人が孤独死をしているそうですが、把握できていない分も含めると、この2倍から3倍はいるだろうといわれ、この数は今後ますます増えて行くと考えられています。

最近では高齢者だけではなく、20代~40代の若い人たちの孤独死も増えているようです。

できれば孤独死はしなくない!と考える「おひとりさま」が多いと思います。

こちらでは、終活として「おひとりさま」となった場合の孤独死や問題、対策についてご紹介します。

おひとりさまが孤独死をしてしまった場合

おひとりさまが孤独死をしてしまった場合
現在一人暮らしをしている人にとって、「自分が亡くなったあと誰にも気がついてくれなかったらどうなってしまうのか」という不安はつねにあると思います。

そして、もし孤独死してしまった場合、自分が亡くなったあとの処理のために、さまざまな人に迷惑をかけることになってしまいます。

実際におひとり「おひとりさま」が孤独死をしてしまった場合、どのような流れになるのでしょうか?

こちらでは孤独死の発見から火葬や合祀までご説明します。

孤独死が発見されるタイミング

「部屋から異臭がする」といった近所の人からの通報や、郵便受けに新聞や郵便物がたまってしまっていることなどから発見されることが多いようです。

天涯孤独でまったく身寄りがなく、近所との付き合いもほとんどないような「おひとりさま」が孤独死をしてしまった場合、発見されるまでにかなりの時間がかかってしまい、亡くなってから数ヶ月間にわたって、誰にも気がつかれないまま放置されるといったようなことも実際にあります。

賃貸住宅に住んでいる場合だと、家賃を催促にきた大家が発見をすることもあるようですが、身寄りがなく近所との付き合いがまったくない人が孤独死をした場合、誰かが異常に気がついてくれるまで発見されないことが多いのです。

市区町村での火葬と合祀

孤独死が発見された場合、まずは警察に通報されることになります。

検視と身元確認を行ったあと、遺族が見つかるまでの間、遺体は警察で保管されることになります。

事件性が疑われるような場合は、司法解剖などが行われることもありますが、遺族が見つからなかったり、遺族が遺体の引き取りを拒否した場合には、市区町村で火葬をされることになります。

葬儀などは行われず、死亡届は市区町村長名で出すことになり、その後、遺骨の引き取り手が誰もいない場合には、市区町村で管理をしている合同墓に無縁仏として他の遺骨と一緒に合祀されることになります。

孤独死後の周りへの影響

賃貸住宅に住んでいた人が孤独死をして長期間にわたって発見されなかった場合、部屋の中に異臭がたちこめていたり、害虫が発生していたりしますので、専門の業者に依頼をして処理をしてもらうことになります。

さらに、そういった孤独死があって長期間にわたって発見されなかった部屋というのは、事故物件扱いになります。

そういった大家さんが被るさまざまな損害に対しては、賃貸の連帯保証人となった人のところに請求がいくことになります。

高齢の「おひとりさま」が賃貸住宅を借りるときに、なかなか連帯保証人が見つからないというのは、孤独死をされてしまうとあとの処理が大変だと誰もが考えるからです。

おひとりさまの孤独死の対策

おひとりさまの孤独死の対策

地域のサークルへの参加や近所づきあい

仕事をしている人なら、会社に何日も出勤してこない、連絡が取れないとなれば、もし孤独死をしてしまった場合も発見は早くなります。

退職後も近所の人たちと親しくしていたり、地域のサークル(敬老会)などに加入したりしておけば、体調がよくないときなどに、近所やサークル内に気軽に相談できる人がいれば安心しますし、もし孤独死をしてしまったとしても、人とのつながりを持っていれば、亡くなったあとに数ヶ月も放置されるということは少なくなるでしょう。

宅配の利用

私自身も在宅介護を経験していますので、宅配を利用したことがありますが「おひとりさま」向けにお弁当を宅配してくれる業者もあります。

お弁当は毎日、直接本人に手渡されますので安否の確認が可能になりますし、お弁当を持って行ったときに、チャイムを鳴らしても本人が出てこない場合には、指定された緊急連絡先に連絡をしてくれます。

また、1人暮らしの方はどうしても栄養が偏って体調を崩しがちですが、宅配弁当であれば栄養バランス的な面でもメリットがあります。

見守りサービスの利用

見守りサービスの利用
24時間見守りサービスや医療・健康の電話相談サービスを提供している会社や団体もあります。

部屋に取り付けられたセンサーが人の動きを感知することで、安否の確認をすることができますし、何かあったときには緊急通報ボタンを押すことで、コールセンターにつながり、看護師や介護福祉士などに相談をしたりすることができます。

また、健康や医療に関する本格的な相談をしたいということであれば、専門医や保健師、心理カウンセラーといった専門家が、24時間365日いつでも、健康や医療に関する電話相談に応じてくれるティーペックというサービスがおすすめです。

⇒ティーペックについてはこちらの記事もご覧下さい。

おひとりさまとなる原因

おひとりさまとなる原因
生涯独身の人でなくても、人生の最後には「おひとりさま」になってしまう可能性が誰にでもあり、他人事ではなくなりました。

こちらでは、将来「おひとりさま」になる原因をご説明します。

生涯一度も結婚をしないおひとりさま

生涯未婚率は高くなっていますし、結婚をしないということは「おひとりさま」になります。

離婚によるおひとりさま

過去に結婚はしていたけれども、離婚により「おひとりさま」になってしまうという人も少なくありません。

配偶者との死別によるおひとりさま

結婚をしていても、配偶者との死別によって、「おひとりさま」となってしまうこともあります。

夫婦が同じタイミングで死ぬということはなかなかありませんので、すべての夫婦は最終的にどちらかが「おひとりさま」になります。

その他

子どもがいたとしても、最近では親と同居するケースは少なく、親の面倒はみたくないなどという人もめずらしくなくなっています。

結婚をしていてもしていなくても、最後は「おひとりさま」になる可能性があるのだという覚悟を、誰もが持つ必要がありそうです。

おひとりさまを待ち受ける問題

おひとりさまを待ち受ける問題

保証人

老後、介護施設に入居するときや、病気で入院をするときも同様、「おひとりさま」の場合には身元保証人を探すのに苦労をすることになります。

病院や施設にしてみれば、何かあったときに誰も連絡の取れる人がいないのは困りますし、入院費や施設の利用料を支払ってもらえなくなるリスクもあるので、保証人を求められるのは仕方のないことです。

また、賃貸住宅に住んでいる「おひとりさま」は、老後に借家を探すのに一苦労します。

部屋を貸す側からすれば、孤独死のリスクが高いおひとりさまには貸したくないわけです。

このように、「おひとりさま」が生きていくためには、様々な問題が待ち受けています。