一般的に孤独死は、誰にも看取られずに亡くなり、一定期間発見されなかった状態のこといいます。
また、孤独死の発見は大半が警察官や消防隊員、民生委員であり、家族による発見は約2割に過ぎないと言われています。
こちらでは、孤独死に陥りやすい共通点と孤独死に備えるためにできることをご紹介します。
孤独死に陥りやすい共通点
孤独死は全国各地で発生し、高齢者に限らず、若年層や中高年にも起こり年々増加傾向が見られます。
そして孤独死に至るには、いくつかの共通点がありますので、ご紹介します。
高齢の方の一人暮らし
高齢の方は突然体調を崩すことが多く、夏場は熱中症、冬場は浴室の寒暖差によるヒートショックなど、注意が必要な場面がたくさんあります。
ヒートショックとは、冬は屋内外の気温差が大きく、屋内であっても居間と浴室や脱衣所、トイレなどでは温度差が20度近くになることもあり、このような急激な温度差は血管を縮め、血圧が変動して意識を失ったり、心筋こうそくや脳こうそくなどを引き起こしたりすることを「ヒートショック」と言います。
また家の片づけが行われていない場合、何かにつまずいて転びケガをするなど、危険性が高まります。
家族が同居していれば防げていたと思われる事故でも、一人暮らしのためすぐに発見されずに命を落とすケースが後を絶たないのです。
疾患がある
高齢の方は疾患を抱えている方も多くいらっしゃいます。
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)
心臓の筋肉への血液の供給量が減ったり障害されたりすることにより引き起こされます。
閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
四肢の主要な動脈の硬化が進み、狭窄(きょうさく)または閉塞(へいそく)が起こることにより血液の流れが悪くなり、手足に循環障害を起こします。
これらの発症を抑制するためには、適切な運動や食生活が必要となりますが、一人暮らしの場合、毎日バランスが取れた食事を採ることは難しく、疾患を悪化させてしまいます。
他人との交流が苦手
孤独死する方の多くは、人とのコミュニケーションを図ることが苦手な傾向があります。
年金で暮らしているため外に出る余裕がない人や、退職によりこれまでの社会的立場を失った現実を受け入れがたいなど、他人との交流を拒む人が孤立しているようです。
特に男性の方はプライドが高い方も多く、新たなコミュニティに入ることを拒むなど、女性に比べ孤独死の危険が高くなっています。
家族や他人とのコミュニケーションが不足していると、異変が起きたとしてもそれに気付く人が少ないため孤独死のリスクは高まります。
孤独死に備えるためにできること
孤独死をする方は、コミュニケーションが苦手な特徴がみられるため、定期的に誰かとかかわることで孤独死を防ぐことが期待できます。
孤独死は高齢者のみならず、世代を超えた社会問題であり、各自治体ではさまざまな取り組みが行われています。
地域包括支援センターなどで、見守りサービスなどを行っている場合がありますので、自治体の孤独死対策を調べておくことも対策の1つとなりますね。
自分からコミュニケーションをとる
頼れる人がいるのは心強いものです。
ご近所づきあいも希薄といわれる現代ですが、自ら地域のコミュニティに参加したり、近所の方とすれ違ったら、あいさつをするなど、日ごろから地域や近所の情報交換ができるようなコミュニケーションをとっておくことも大切です。
見守りサービスの利用
家族がいる方なら、離れていても見守りができる家電などもありますが、おひとりさまの高齢で独り暮らしの方は、病気や身体的に外に出歩くことが難しい方もいらっしゃいますよね。
そんな方は、警備会社の見守りサービスを利用してみてはいかがでしょうか?
自分で壁のボタンを押すことにり警備員を呼ぶことができるほか、意識を失ったり、歩行が困難になったときもセンサーが異常を検知して警備員がすぐに駆けつけてくれるサービスです。
いつでも持ち歩けるペンダントボタンなどもありますので、警備会社の見守りサービスを利用することで健康不安がある方も心強いですね。
孤独を感じた時の解消法を探しておく
孤独死は高齢者だけの問題ではなく、最近では若年層や中高年にも広がっており、誰の身に起こるか分かりません。
孤独の感じ方は人それぞれですが、自分の存在が認められない寂しさは、すべての世代で共通ですよね。
高齢者の3人に1人が孤独死を身近に感じていると言われていますので、家族の方はこまめに連絡を取る、優しい言葉を伝えてあげてください。
優しい言葉は、心があたたまり心が救われることもあります!
おひとりさま(私もですが)の場合は、孤独を感じる時は自分ひとりですよね?
そんな時は自分自身に優しい言葉をかけてもいいのではないでしょうか?
さみしいことではありませんよ!自分のことを一番にわかっているのは自分自身なのです。
また、前もって自分にあった孤独感を感じてしまった時の解消法を探しておくことも大切ですね。